青空文庫ビューアー

山果集に寄す

山果集に寄す

三好 達治

行くがいい 既に門出の時である 行け

太陽のもと 喧噪のさなかに 行け 風塵霜露の衢々に

行つて お前の運命を試みるべき時である 行け

片意地な兜蟲 か弱い仔雀 跛この驢馬 憐れなるわがうたの一卷