青空文庫ビューアー

一度

一度

中原 中也

結果から結果を作る

飜訳の悲哀――

尊崇はたゞ

道中にありました

再び巡る道は

「過去」と「現在」との沈黙の対坐です

一度別れた恋人と

またあたらしく恋を始めたが

思ひ出と未来での思ひ出が

ヲリと享楽との乱舞となりました

一度といふことの

嬉しさよ