青空文庫ビューアー

聖の行くべき道

聖の行くべき道

今野 大力

そこはねずみも歩かない

歩くべきではない

ひじりの行くべき道である

空は明るく明るく

まひるの如くに明るい

一しきり降っていった雪は

野に山に路に庭に

夢見る様に積もっている

雪は白い何よりも白い

きよめられたる様に白い

天と地の合体の風景である

包む夜は厳に静かな

しらべをひっている

    *

ひじりの為めにいた敷物は

けがれる事を恐れている如くである