青空文庫ビューアー

無題

無題

富永 太郎

ありがたい静かなこの夕べ、

何とて我が心は波うつ。

いざ今宵一夜ひとよ

われととり出でたこの心の臓を

窓ぎはの白き皿に載せ、

心静かに眺めあかさう。

月も間もなく出るだらう。