青空文庫ビューアー

秋の小曲

秋の小曲

漢那 浪笛

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秋の木の葉がふるひ出す、

ものにおびへたの色は、

たゞしろびかり――何を見る。

ひら/\と黄葉きはがちる、

彼れは何処へ? 真暗まつくらな、

谷へほこらへ――あな消へた。

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暗い森からとりが啼く、

あなほろ/\と、そこなりに………

ある触るる音よ、くるるる日の

そらと人とのなかを過ぐ。

食ひのこしたるパンの切れ、

ぢつとみつめば、涙ぐむ。

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白髪しらが頭のおぢいさん、

まがつた腰もかまはずに、

物識ものしり顔に世を渡る。

前にあるのは何かいな、

うしろにゐるのは誰れかいな、

静かにまなこひらき見よ!

前にあるのは白き家、

後ろにあるは、黒き影、

なかのお爺さんそを知らぬ。

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空が焼けた、真紅まつかにやけた!

悪しき獣をはふつたやうに………。

空の自然□レンズなら、

人間道 悲惨みぢめな心、

写しいだした地獄□か?