青空文庫ビューアー

友に

友に

末吉 安持

ともうらまじ今日けふよりは

ねたまじ、きみ濃藍のうらん

底見そこみえわかぬわたづみの

珊瑚さんごみやこひ

さきくあり、とにおもまむ。

濃藍こあゐたゞえてえわかぬ

わたづみぞここひなれば

をとりて

くちつけかはしみかはし

ありともいかでらむ。

こひはれぬ嫉妬ねたみもて、

相合あひあたまのろふとも、

ぐわつじん百蓮華びやくれんげ

やはからさむあたゝかき

つぼみふくめる緋牡丹ひぼたんを。

寄藻よりもはなにほはざる。

荒磯ありそほとり、なつ

らされて帆立貝ほたてがい

うしなひぬ、すな

をくひあてゝほろばゞや

とおもひにしも怨疾をんしつ

うみなやめる昨夜よべなりし、

うしなひしかいならば

今日けふよりおもやすからむ、

荒磯ありそうえ寂光土じやくくわうど――

ねたみくづれしはなならば

今日けふよりなげきあらためむ、

のりあめれあゝさらば、

みだれてびし花片はなびら

たしめよ土着つちきせよ。

日毎ひごと夜毎よごとにかはり

にかはりてもあゝとも

ねたまじとも恋人こひゞとよ、

こひねがはくはまどかなる

あひひかりをあふがしめずや。