青空文庫ビューアー

如是

如是

末吉 安持

凶会日くゑにち凶会日くゑにちと見て

めるもの衰へしもの、

床のにすなほにたふれ、

かめの身は砕けてちりて、

滅亡ほろびに入らむ。

床のれぬ、花瓶はながめ

されどそが『こゝろ』は如何に、

すなほにと云へど、やさしき、

くだけにはあらず、はげしく

叫ぶを聞きぬ。

人の子はかめにもあらず、

運命うんめい運命うんめいて、

秋のくれ、死ぬるといふ

ほのかなるそくのかげに、

題目だいもくをこそ――

蝋燭ろうそくはかすかに音し、

黄ばむ火は寒げにれぬ。

刻々こく/\おもがはりゆく

あゝ死相しさう――刹那せつなよ黒く、

つくは呻吟うめき

破瓶われがめ画師えしうち抱き、

死人しにびと法師ほふしみちびき、

秋の野へ、はうりのみちに、

また聞きぬ、見ぬ、黒牛くろうし

これも呻吟うめき