青空文庫ビューアー

或る月夜に

或る月夜に

上里 春生

おほぞらは、

紫暗の海と澄み渡りて、

真珠の群は、きらきらと、

円けき海月 光り流るゝ。

芋の葉むらがりむらがり、

ぬかづける野辺に、

貧しき樹立は微にゆら/\

葉末のしたゝらすひかりの雫

静かに 甘き夢を つゞれる。