青空文庫ビューアー

帰村

帰村

森川 義信

寒々と背姿せすがたの林は続き

連峯れんぽうは雪

よれよれの路はまた坂になり

鴉はあをあをと山蔭に群がり

ああ 少年の日の悲歌エレヂーよみがへる

ゆふぐれよりも早く

ぱらぱら何時かのように村は花をひとも

村はまた何かを悲しむであらう

こんなにも林の多い路だつたかと

少年の日のふるさとに――

傷心のわたしであつた