青空文庫ビューアー

別れ

別れ

森川 義信

別れの馬車の鈴の

つらい心をまたせめる

日暮峠でみかへれば

山が霞んで遠くなる

寒い夜風に町の灯が

悲しく遠くゆれてゐる

馬車の窓から故山ヤマ見れば

空にほんのりおぼろ月

(四・十二)