あの人
芹をつむ芹の沼べり
今日もまためだかが浮いた
肩あげの肩が細いと
あの人はやさしく言つた
名も知らぬ小鳥が鳴いた
讃岐の山雲が通つた
あの人は麦笛ふいた
泪ぐみ昼月みて聴いた
肩あげの肩も抱かずに
あの人は黙つて去つた
芹かごの芹のかほりが
しんしんと胸に沈んだ
あの人
芹をつむ芹の沼べり
今日もまためだかが浮いた
肩あげの肩が細いと
あの人はやさしく言つた
名も知らぬ小鳥が鳴いた
讃岐の山雲が通つた
あの人は麦笛ふいた
泪ぐみ昼月みて聴いた
肩あげの肩も抱かずに
あの人は黙つて去つた
芹かごの芹のかほりが
しんしんと胸に沈んだ