青空文庫ビューアー

断章

断章

森川 義信

おほくの予感に充ち

おまへの皮膚にはとどかず

はるかに高い所を

わたつた

あの鋭い動きさへ

速かに把へたのに

精神よ

季節は錆だ

新しい時へ

歩みを移すこともできず

灰は灰に

石は石に還つた

しかし

それらの冷やかさを

身をもつて感じてゐることは

もつと不幸だつた