青空文庫ビューアー

雨の出発

雨の出発

森川 義信

背中の寒暖計に泪がたまる

影もないドアをすぎて

古びた時間はまだ叩いてゐる

あれは樹液の言葉でもない

背中の川を声だけで帰つてゆくものたち