青空文庫ビューアー

労働の精神

労働の精神

百田 宗治

工場の隅でぐったりしている人よ、

君は疲れているか、

君の腕は最早力を失ったか、

君の息は苦しそうだ。

だが君の腕はいまに甦るだろう、

君の息はいまに百倍の力に充ちるだろう、

そして君は再び立ってゆくだろう。

おおみんながムダに時間を費している時に、

君は働いているのだ、

君は力を消費し、また恢復し、

一杯になり、またそれを失い、

一刻の暇もぼんやりしていない。

おお君の世界は何と充実していることだ、

何とはり切っていることだ、

おお君の所有している、君の権利の、君の生かす世界の真実を知れ、

君自身を知れ、

労働の精神を知れ、

無上の幸福と生き効いに声挙げよ。

(一九一八年一月六日作 『民衆』一九一八年三月号に発表)