青空文庫ビューアー

桜間 中庸

賣店の女の顏の明るさはアスフアルト敷くこの街の顏

行ずりに見し外人の瞳かも土曜の夕のそゞろ歩きに

客を呼ぶ馬車屋の笛のあわれさや逗子驛頭の冬のたそがれ

たたき賣るバナナ屋の聲寒寒と宵のしゞまを破りて流る