青空文庫ビューアー

草舎にて

草舎にて

三好 達治

めじろ めじろ

めじろ

冬の端山を渡りくる

めじろの群れのおしやべりは……

 それはまるで夏の日の日の暮れ方、とある街角をくる風鈴賣りの、あの毀れ易い硝子の器を百も吊るした、人の肩に擔はれてくる小さな輕い華やかな店さきの、音樂! その商品の一つ一つが互に囁きあつてゐる、ひそやかなれども騷がしい、いつも一つのものでありながら、けれども單調といふのでない、即興歌のより集り。

フランシス・ジャムは病めりと

ここまでも遠きたよりは聞えけり

めじろなく相模の端山