青空文庫ビューアー

諷詩

諷詩

萩原 朔太郎

友だちはひどく歪んだ顏をしながら、

しらみに向つて話をした。

『虱や、ご生だからたからないでおくれ、

私にしつつこくしないでおくれ、

おまへはほんとに不愉快だ』

そして痒いところへ手をやらうともしなかつた。

この友だちは聖人だ。