青空文庫ビューアー

訓導

訓導

宮沢 賢治

早くもひとり雪をけり

はるかの吹雪をはせ行くは

木鼠捕りの悦治なり

三人ひとしくはせたちて

多吉ぞわらひ軋るとき

寅は溜りに倒れゐし

赤き毛布にくるまりて

風くるごとに足小刻むは

十にたらざる児らなれや

吹雪きたればあとなる児

急ぎて前にすがりつゝ

一列遠くうすれ行く