青空文庫ビューアー

おっぱい

おっぱい

小川 未明

 あかちゃんが、おかあさんの おっぱいを すぱすぱと のんで いました。そばで みて いた つねちゃんは、

「おいしそうね。」

と いいました。

「おまえも こう して のんだのですよ。」

と、おかあさんが おっしゃいました。つねちゃんは きゅうに おちちが こいしく なりました。

「あたしにも のましてよ。」

と、おかおを だすと、あかちゃんが、

「ううん。」

と いって、おこりました。

「いじを つついては いけません。」

と、おかあさんが おっしゃいました。

あかちゃんの いじわる。」

と いって、つねちゃんは おもてへ いきました。

 おとなりの よしおさんと あそんで いると、かぜが ふいて きて、ごみが お目目めめに はいりました。

「ぼくが とって あげよう。」

と、よしおさんが とろうと しましたが、とれません。よしおさんが、つねちゃんを おうちへ つれて きて あげました。おかあさんは、

「よしおさん、ありがとう。」

と おっしゃいました。

 つねちゃんは よく お目目めめを あらいました。

「おちちを さして あげましょう。」

 つねちゃんは おかあさんに だかれて、おっぱいを たらたらと お目目めめに いれて いただきました。

「もう、よく なった?」

と きいて、そばで みて いた よしおさんも おっぱいを こいしそうに ながめて いました。