青空文庫ビューアー

鷹とひらめ

鷹とひらめ

香倶土 三鳥

 ひらめが海を泳いでいますと、鷹が飛んで来て掴もうとしましたが、水が深いので掴めません。しかたなしに知恵を出してひらめにこう言いました。

「平目さん。もっとこちらの浅い処に来て御覧。お前の好きな餌が沢山あるよ」

 ひらめは笑ってこう返事をしました。

「あなたはほんとに御親切ですね。序に私を食べないで下されば、もっと御親切だと思いますけどもねえ」

 と言いながらズンズン深い方へ泳いで行きました。