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月夜のでんしんばしらの軍歌

月夜のでんしんばしらの軍歌

宮沢 賢治

ドツテテドツテテ、ドツテテド、

でんしんばしらのぐんたいは

はやさせかいにたぐひなし

ドツテテドツテテ、ドツテテド

でんしんばしらのぐんたいは

きりつせかいにならびなし。

ドツテテドツテテ、ドツテテド

ほんうで工兵隊こうへいたい

ぽんうで竜騎兵りうきへい

ドツテテドツテテ、ドツテテド

いちれつ一まん千人せんにん

はりがねかたくむすびたり

ドツテテドツテテ、ドツテテド

やりをかざれるとたんばう

すねははしらのごとくなり。

ドツテテドツテテ、ドツテテド

かたにかけたるエボレツト

おもきつとめをしめすなり。

ドツテテドツテテ、ドツテテド、

さむさはだへをつんざくも

などて腕木うでぎをおろすべき

ドツテテドツテテ、ドツテテド

あつ硫黄いわうをとかすとも

いかでおとさんエボレツト。

ドツテテドツテテ、ドツテテド、

みぎとひだりのサアベルは

たぐひもあらぬ細身ほそみなり。

ドツテテドツテテ、ドツテテド、

タールをれるながくつ

はばは三びやく十尺じうしやく

ドツテテドツテテ、ドツテテド

でんしんばしらのぐんたいの

そのせかいにとゞろけり。