青空文庫ビューアー

沼の家

沼の家

新美 南吉

母さんお窓をしめましよう、

もう郭公くわくこう鳥は鳴きませぬ。

林の虹も消えました、

沼には靄がおりました。

母さんお窓をしめましよう、

風がひえひえいたします。

もうすぐ夜が来るのです。

もう郭公鳥も鳴きませぬ。

病気がおもるといけませぬ。

母さんお窓をしめましよう、

ランプにあかりもいれましよう。