青空文庫ビューアー

いぬさん と おねこさん

いぬさん と おねこさん

村山 籌子

ゑほん

 いぬさん と おねこさん が ストーヴ に あたりながら ハイカラな ゑほん を みて ゐました。

 いぬさん が まうしました。

「ぼく は なぜ こんな ハイカラな 犬 に うまれなかつたんだらう。このちぢれた毛 は どうだ」と じぶん の みじかい毛 を ひつぱりました。

「ああ あたし は どうして この ペルシヤねこに うまれなかつたんでせう。この 大きな 目‼」と ゑほんの 猫を みて おねこさん は まうしました。

 二人 は がつかりして しまひました。が、ストーヴ の 火 が あんまり あたたかかつたので ねむつて しまひました。

 おしやうがつ ぐわんじつ の ばん のことで ありました。

さんぽ

 おねこさんが散歩してゐました。

 風が吹いてきて、おねこさんのかたかけが飛ばされました。かたかけは川の中へ。

 そこへ犬さんがやつてきて、二人で川のそこにしづんでゐるかたかけをみつけました。

「いぬさん。あなたは水およぎができるんでせう? とつて下さい。」とおねこさんがいひました。いぬさんは、

「こんなにさむくちやあ、とれない。なつになるまで待たう」と、いひました。

 それを見てゐた、あひるさんのおぢさんが、水の中にとびこんで、とつてくれました。

 二人は、あんまりうれしくて、おれいもいはずに家にかへりました。

 あひるのおぢさんは、ぶつ/\おこりましたが、のんきなおねこさんといぬさんは、それに気がつきませんでした。