青空文庫ビューアー

かの日

かの日

漢那 浪笛

あまき歓楽の日は、

束の間に決別わかれをつげ……

物のかたち、淋しき色に濡れて、

墓場の景色をくりひろげぬ。

あたゝかき心の熱の消ゆるに連れ、

唇の感じも少なく、

つめたき空気に、墓なき息を通すまに、

悲哀かなしみ!遂に吾れをころす………。