青空文庫ビューアー

暮れ方の窓

暮れ方の窓

漢那 浪笛

常に夢見るひとのすがた!

夕暮れ方、

しめやかな窓にしのんで来る。

なつかしい想ひは浪のやう…………。

みつむれば、おぼろにかすみ、

ちかよれば、闇のなかにとろけて、

果ては見えなくなる。

物 消えしあと 悲しいことよ!

どこかにすゝり泣きが消えた。

夫れは、びんのほつれにからんだ、

青い火のこのやうだ

つひ、私は二つ 眼を掩ひ、

闇の窓にうつ伏した。