青空文庫ビューアー

あやどり

あやどり

漢那 浪笛

静けき海のかなた、

日影しのびいる、森の奥に、

彩鳥あやどりの声すと、きゝぬ。

その音は、裂けし白玉の

一片ひとはにも似て、

いささかの悲しみをやる。

いねがたき夏 南国!

浪のよるひるも、起きぶして、

いかばかり彩鳥あやどりの音のひしき。